当ホテルを設計した故マイケル・グレイヴス氏は、私が学生時代に設計に関する書籍を読み、作品を見て影響を受けたアーキテクトの一人。

今回、同氏の建築物のリニューアルに携わる仕事を頂いたことに、一方ならぬご縁を感じると共に、偉大なアーキテクトの作品へ手を入れることに身が引き締まる思いです。

古典主義建築を回顧し、概念的な形状を表現するポストモダンスタイルを体現した同氏の建築は、今なお力強く独特の存在感を放っています。

建物完成後四半世紀を経て、このダイナミックで力強い形状の建築に呼応するモダンなインテリアの要素を付加すると共に、ホテルの持つインテリジェンスを象徴する「本」をデザインに組み込み、新たな時代の息吹を感じさせる、意欲的なデザインにチャレンジしたいと思います。